舌下免疫療法について

舌下免疫療法について

花粉症対策
舌下免疫療法(減感作療法)

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法とは「錠剤(スギ花粉、ダニ抗原を原料としたエキスを含む)を舌下で溶かし、その後そのまま飲み込みます。これを毎日繰り返すことで、身体をアレルギーの原因となる物質に慣れされる事で過敏に反応しないようにする」という治療法です。ある意味、完治の可能性のある唯一の方法です。

また、この治療を行うことで、それ以外の抗原(イネ科やキク科などの花粉症や食餌など)に対し新規にアレルギー反応を起こす可能性を低くすると言われています。

  • 保険適応
  • スギ花粉飛散時期(2月~GW後頃まで)は、スギ花粉に対する治療は新規で開始出来ません

手順

まず、初めにスギ花粉症、ダニアレルギーであることを採血検査で確かめます。

治療の手順

手順
  1. 溶ける錠剤を舌下に置いて、1分間そのままの状態で溶かし、その後に飲み込みます。
  2. 最初の1週間は初期量を、2週目から維持量に増量し継続となります。
  3. これを1日1回毎日実施し、2~3年間(出来ればそれ以上)続けます。

従来の減感作法(注射法)では、外来に来て頂き皮下注射をしていましたが、舌下法では自宅治療(自己)が基本です。

心配な副作用であるアナフィラキシーも、従来の注射法よりかなり少ないと報告されています。

期待される改善効果

  • ほとんど症状がなくなった(寛解):数~10%
  • 症状が半分以上良くなった(著名改善):約40%
  • 症状が軽くなった(改善):20~30%
  • あまり症状が良くならない(不変):20~30%

全体的には、約70~80%の方に治療効果が期待されます。

対象とならない方

  • 重度の気管支喘息患者。
  • 妊娠中、授乳中(治療を開始することは出来ません。維持量を継続中の場合は問題ありません)。
  • 12歳未満の小児(当院では、副作用の把握が困難なため12歳以上の方のみを対象にしています)。
  • 悪性腫瘍治療中の方。

舌下免疫療法患者様への確認事項

  • 長期間の治療を受ける意志がある(最低2年間程度)。
  • 1日1分間の舌下療法を、ほぼ毎日継続できる。
  • 少なくとも1か月に1度受診が可能である。
  • すべての方に効果が得られるわけではないことを了承できる。
  • 効果があって終了した後に、その効果が減弱する可能性があることを理解できる。
  • 説明のあった副作用等の対処法が理解できる。

減感作の今後の展望(私見)

減感作の今後の展望(私見)

舌下免疫療法は、特に若年者にはお勧めの治療法です。

アレルギー性鼻炎を持っていると、

  • 屋外スポーツに影響がある。
  • 首都圏(花粉飛散が多い)に、進学や就職で転居した場合は症状が重症化する。
  • 眼の掻痒感、眼脂でコンタトレンズが使用しにくい。
  • 鼻かみ等で化粧が落ちる。
  • 今後約70年間も付き合っていかなくてはならない。

等、生活の質がかなり低下するものと思われます。

たった1日1分間の2,3年です。以前は毎週通って注射されていた事を考えれば、この方法は侵襲が少なく、しかも簡単です。それで体質改善が期待出来るのです。前向きに考えてみませんか。

診療時間

日・祝
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休診日:日曜・祝日、木曜午後・土曜午後