甲状腺疾患の診断・治療

甲状腺疾患の診断・治療

甲状腺とは

甲状腺とは甲状腺は頸部の前下方(気管の前面)に存在し、甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンは生体の新陳代謝を正常に保つ働きをしています。

甲状腺疾患を大別すると、機能障害、炎症性、腫瘍性の3つに分けられます。

甲状腺機能障害

機能障害は、甲状腺ホルモンが多く分泌される疾患(バセドウ病、など)と、分泌が低くなる疾患(橋本病、など)に大別されます。甲状腺ホルモンが多くなっても、少なくなっても多種多様な症状が出ます。

甲状腺機能亢進症の主な症状
  • 疲れやすい
  • 発汗過多
  • 脈拍数が多くなる
  • 動悸がする
  • 息切れがする
  • 手足がふるえる
  • イライラする
  • 眠れない
  • 微熱が続く
  • 甲状腺が腫れる
  • びまん性甲状腺腫大
  • 眼球突出
甲状腺機能低下症の主な症状
  • 疲れやすい
  • 汗がでない
  • 脈拍数が少なくなる
  • 体がむくむ
  • 体重が増える
  • いつも眠い
  • 物忘れしやすい
  • 便秘
  • 筋力低下

炎症性疾患

炎症性疾患では、亜急性甲状腺炎が代表的です。甲状腺がある部位に強い痛みを生じます。抗生剤などが効かず長い期間続きます(原因不明な痛みが続いて不安になることも)。痛みの部位が甲状腺右葉(右側)から左葉(左側)へ、左葉から右葉へ移動することもあります。

腫瘍性疾患

腫瘍性疾患は良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。甲状腺の結節性病変(良性+悪性)は、特に症状がない方でもかなりの頻度で認められます。健康診断を受けた方の甲状腺を、超音波で確認すると10~30%の頻度で何らかの結節性病変を認めると報告されています。比較的良く見られる病態なので、結節性病変があると言うだけでは過度に心配することはありません。

良性腫瘍は、通常は定期経過観察ですが腫瘍径が大きければ手術加療をすることもあります。甲状腺の悪性腫瘍は、他部位の悪性腫瘍に比べ、ごく一部を除いて非常に予後が良いとされています。

甲状腺の診断・治療

当院では、臨床症状、頸部所見、血液検査、超音波検査、細胞診検査などを組み合わせて診断を行っています。診断確定後に各疾患に合わせた治療、経過観察を行い、手術加療が必要な方は対応可能な病院に紹介させて頂いています。

補足:認知症と思われていた方の中には、実は甲状腺ホルモンの低下(不足)が原因だった人が隠れていると言われています。年齢と共に甲状腺ホルモン分泌も低下していくことが多いです。甲状腺ホルモン値を確認し、低めならまず甲状腺ホルモン薬を内服してみても良いかもしれません(所謂、「治る認知症」としてマスコミでも取り上げられました)。

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